Rheumatology

リウマチ科

リウマチ科イメージ

2名の専門医(整形外科、内科)により多角的診療を行います。

当院リウマチ科の特徴は、リウマチ専門医として整形外科医と内科医を配置していることです。リウマチ性疾患は後述するように整形外科的疾患のみならず内科的疾患を伴うことがあります。これらリウマチ症状に対して各診療科の医師がそれぞれの視点で診断・治療を行ったり、共働して多角的視点から治療法を選択したりと状況に応じて最も適切な治療方法がご提供できる体制を整えています。
リウマチ科では、リウマチ性疾患の診療を行ないます。リウマチ性疾患とは、関節や筋肉、骨など運動器系の痛みを伴う病気で、アメリカリウマチ学会によると100 種類以上の疾患に分類されています。 関節の痛みと腫れはどんなリウマチ性疾患にも症状として現れますが、初期の場合、患者さんによっては朝起きたときの手のこわばり感のみで、必ずしも痛みを訴えない場合もあります。
また、痛みというよりも全身の倦怠感や発熱など,全身症状で発症する場合もあり、全身の様々な臓器病変を同時に伴う疾患もあります。他に、手指の関節が痛む変形性関節症という状態もあり関節リウマチと区別が必要になります。リウマチ性疾患の早期発見、早期治療のためにも気になる症状がありましたら、受診してください。

主なリウマチ性疾患

  • 関節リウマチ
  • 痛風
  • リウマチ性多発筋痛症
  • 反応性関節炎
  • 若年性特発性関節炎
  • 乾癬性関節炎
  • 強直性脊椎炎
  • 膠原病(全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群)
  • 偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症)

関節リウマチ

関節リウマチイメージ

関節リウマチ

いわゆるリウマチ性疾患の中でもっとも患者数が多く、日本には80~100万人の方がいるとされるリウマチ性疾患の代表的疾患です。
男女比は1対4と女性に多く、働き盛りの30~50歳代が発症のピークと考えられていますが、80歳以上での高齢発症の例もあります。
免疫の異常により関節に炎症をおこし、腫れて痛みます。関節炎は典型的には手足の指など小さい関節におきますが、手首、足首、膝などにも見られ、全身の関節におこる可能性があります。また、関節の症状以外に、微熱、眼の炎症、皮下結節や皮膚潰瘍、間質性肺炎、胸水など全身の症状を伴うこともあります。関節炎を治療せずに長期経過すると関節が破壊され変形してしまうため、関節炎を抑える治療が必要になります。
最近の治療薬や治療法の進歩により、早期に診断して治療を開始できれば、多くの患者さんで病気の進行を最小限に止められるようになってきています。

関節リウマチの治療

薬物療法

非ステロイド系消炎鎮痛薬
痛み止めです。関節炎や骨破壊を抑えることはできませんが、即効性で、痛みがつらいときに使用します。胃や腎臓に負担をかけることがあり最小限に使用します。胃への負担が少ない薬もあります。
ステロイド(副腎皮質ステロイド)
ホルモン剤で炎症を抑える効果があります。関節の炎症が強い時に、抗リウマチ薬の補助として用いられます。
即効性のため、日常生活動作を改善することができます。ただし、ステロイドを長く使っていると、糖尿病や高血圧、骨粗鬆症、白内障、感染症などを合併しやすくなるので、抗リウマチ薬が効き始めたら減量し、できれば中止します。アレルギー的な副作用はないので薬剤アレルギーの多い患者さんには使いやすい薬です。
抗リウマチ薬/免疫抑制薬
関節炎を抑える根本的な治療になります。リウマチの免疫異常を調節したり、抑制することで効果を発揮します。即効性ではないため効果が出るのに1~3ヶ月かかり、効果の程度に個人差があります。免疫抑制薬であるメトトレキサート(商品名:リウマトレックス、商品名:メトレート、商品名:メトトレキサート)はリウマチ治療の主軸となる薬で、有効率が高く関節破壊の進行を遅らせることができます。
また、治療効果を高めるためにこれらの薬剤と他の抗リウマチ薬とを併用することがあります。抗リウマチ薬は他にタクロリムス(商品名:プログラフ)、サラゾスルファピリジン(商品名:アザルフィジンEN)、ブシラミン(商品名:リマチル)、イグラチモド(商品名:ケアラム)などがあります。副作用として骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎などが起こることがあるので、定期的に検査を受けながら服用することが大切です。
生物学的製剤
炎症性サイトカインのTNFαやIL-6、T細胞などからおこる炎症を抑え、関節破壊の進行を大きく抑えることのできる薬です。抗リウマチ薬の効果が不十分な場合に用いられ、点滴注射や皮下注射で投与されます。投与間隔は薬によって週に1回から2ヶ月に1回と使用方法が異なります。2003年に抗TNFα製剤のレミケードが登場してから、現在までに8種類の生物学的製剤が使用可能で、患者さんの状態に合わせて相談しながら選択しています。TNFα阻害薬は他に、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジアがあり、IL-6阻害薬はアクテムラ、ケブザラ、T細胞を抑える薬はオレンシアがあります。感染症などの副作用には注意が必要で、薬価が高いという問題点もあります。患者さんが自分で注射できる注射器もあり、より便利な使い方ができるようになっています。
また、最近では特許期間が満了した生物学的製剤の後続品で薬価が安いバイオシミラーも発売されています。
JAK阻害薬
サイトカイン受容体からの刺激を細胞のなかで遮断して炎症を抑える薬です。生物学的製剤と同様に炎症や関節破壊を抑えることができます。
2013年に最初のゼルヤンツが発売され、オルミエント、スマイラフなどが続々発売されています。こちらは注射ではなく、毎日内服で用います。感染症や肝障害、白血球減少、貧血などの副作用を起こすことがあり、特に帯状疱疹が起こりやすいため注意が必要で、やはり薬価が高いという問題があります。

リハビリテーション療法

リハビリテーション療法イメージ

リハビリテーション科では、運動療法、物理療法、装具療法のほか日常生活動作の補助となる自助具に関するアドバイスやご紹介も実施しています。当院では日本リウマチ財団登録の常勤理学療法士も在籍して総合的な治療を行っています。

リハビリテーション療法の解説ページ

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